うつ病をサポートするご家族の困りごとは?

ご自身の疲れにも目を向けましょう

心身の不調を抱えたご本人には、近くにいるご家族のサポートや病気への理解がとても大切です。

その一方で、病気のご本人をサポートしているうちに、ご家族が体力や気力を消耗してしまう場合も多いのです。

「自分がしっかりしなきゃ」と意気込むことで、自分の不調に気づかない可能性もあります。

ときには自らの心身と向き合い、「疲れている」「ストレスがたまっている」と自覚することは、自分自身のストレスケアにつなげるためにも必要です。

また、「自分のせいで病気になったのでは」と思い込むことも、できれば避けるようにしましょう。

病気は、環境や外的要因で引き起こされる場合もありますが、突発的に発症することも多いのです。自分を責めずに、前向きにご本人の治療を見守ることが大切です。

日常に取り入れたい「セルフケア」

セルフケアとは、自分自身をケアして、心身の不調を軽減していくことです。ぜひ日常に取り入れて、自分を労る習慣を作っていきましょう。

セルフケアは、難しく考える必要はありません。「温かい飲み物を飲む」「ストレッチする」「趣味の時間を作る」など、自分が穏やかな気持ちになれることを、試しに取り入れてみましょう。

自分と近い環境の人と話すことで、気持ちが楽になることもあります。

「誰かと気持ちを共有したい」「他の人がどんなサポートをしているのか知りたい」と思ったときは、家族会に参加するのも選択肢のひとつです。

家族が相談できる場所

家族会

精神疾患を抱えた人を身内に持つ家族が集まり、悩みを共有し、お互いに支え合う会

エンカレッジ

うつ病患者さんの家族のためのコミュニティー

住んでいる地域に家族会がないこともあるので、気になる場合は「お住まいの地域 家族会」で検索してみましょう。(例:「神奈川県 家族会」)

自分の不調が強くなっているのを感じる場合は、「クリニックを受診する」「カウンセリングを受ける」など、専門的なサポートを受けることも考えましょう。

制度や相談窓口を活用しましょう

病気と診断されたご本人のサポートを、すべてひとりで抱え込む必要はありません。

「経済的な支援が受けられる制度を申請する」「相談窓口に電話する」など、周りのサポートを積極的に受けるようにしましょう。

使える可能性のある制度の例

自立支援医療(精神通院医療)

精神疾患の治療にかかる自己負担額を、軽減できる制度

障害手当金

病気やケガで仕事を休んだとき、勤務先から給与が支払われない場合に、一定の手当を受け取ることができる制度

障害年金

障害や病気によって生活に支障が出た場合に、受け取ることができる年金

精神障害者保健福祉手帳

精神疾患によって生活に支障が生じている方の、自立した生活と社会参加を助けるための制度

生活保護

生活に困窮する全国民を対象に、国が必要な保護を行い、自立を助長する制度

「どの制度に申請すればいい?」「病気を抱えた本人との接し方がわからない」など、メンタルヘルスに関わる相談がしたい際は、精神保健福祉センターに電話するのもおすすめです。

各都道府県に必ず設置されている機関なので、ぜひ活用しましょう。

精神保健福祉センター

メンタルヘルスに関する様々な相談ができる機関

(全国の精神保健福祉センターの一覧はこちら

ご家族が抱える困りごと

心身の不調を抱えたご本人をサポートするうえで、ご家族が直面することの多い困りごとをまとめました。ぜひ参考にしてください。

「本人が病院に行きたがりません」

ご本人が精神科や心療内科の受診を拒んでいる場合は、身体に関する客観的な事実を伝えることで、受診に繋がる可能性があります。

「最近眠れていないから、病院で相談してみない?」

「痩せてきたように見えて、私が心配。食欲のことだけでも、先生に聞いてみない?」

「私が心配」というように、自分を主語にして伝えると、相手のテリトリーを守りつつ自分の気持ちを伝えやすくなります。

受診につなげる方法(元住吉HP)

「本人が薬を飲んでくれません」

薬を飲む理由を理解していないと、「薬なんて必要ない」と服薬を拒否してしまう場合もあります。

医師には伝えられず、そのまま処方だけ続いていて自己判断で服薬していないことも少なくありません。

ちゃんと医師に伝えるようにして、治療について相談するように促してください。

副作用がつらくて服薬を続けられない場合は、「副作用止めを処方する」「薬の種類を変える」などの方法もあります。

ご本人から副作用について主治医に相談を促してください。

また、つらかった症状が回復することで、「もう治った」と自己判断している可能性もあります。

その場合は、「眠れていない」「食欲が戻っていない」などの身体的な事実をふまえて、「前より調子がよくなってきたように見えるよ。でも、まだ体が本調子じゃなさそうだから、治療は続けてほしいな」と気持ちを伝えるのもひとつの方法です。

「再発することも多いそうだし、治療をやめて前の状態に戻るのは私が心配だな。いつまで治療を続ければいいか、先生の相談しよう」と、主治医への相談を促すのもいいでしょう。

「家族の困りごとを、主治医に相談したいです」

主治医に相談したい旨を、まずは電話で医療機関に聞いてみることをおすすめします。

相談内容によっては、精神保健福祉センターなどの公的な相談機関が適しているかもしれません。医療機関で相談できる内容か、まずは確認してみましょう。

診察に付き添いたい場合は、まずは受診するご本人に、同行していいか許可をもらう必要があります。

主治医と一対一ではなくなることで、ご本人が話しにくくなる可能性があるからです。

同行が問題ない場合は、診察時に「次回の診察に、家族を同席させていいですか?」とご本人から主治医に確認してみましょう。

ご家族に説明させていただく場合はお時間がかかってしまうので、次回の診察時間を調整する必要があります。

そのほか家族の方からよくあるご質問を、Q&A形式で以下にまとめています。

家族のサポートに関するQ&A

執筆者紹介

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大澤 亮太

武蔵小杉こころみクリニック院長

精神保健指定医/日本医師会認定産業医/日本医師会認定健康スポーツ医/認知症サポート医/コンサータ登録医

共同執筆 株式会社ベータトリップ 林晋吾・熊野なな

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