広汎性発達障害(アスペルガー)

広汎性発達障害とは?

広汎性発達障害(アスペルガー)、病気の概要

発達障害とは、生まれつきの脳の発達が多くの他の方と異なることで、生活への支障がでてくることです。

病気というよりは生まれつきの特性で、何らかの脳の微細な異常があるといわれています。

その特徴のあらわれ方から、

  • 広汎性発達障害(PDD)
  • 注意欠陥多動性障害(ADHD)
  • 学習障害(LD)

などに分類されています。それ以外にも、チック障害や吃音症などもあります。

これらの要素がオーバーラップすることも多く、発達障害は多様で、個人差がとても大きいです。

従来、アスペルガー症候群といわれていた病気は、広汎性発達障害(自閉症スペクトラム障害)に含まれています。

これまでは、自閉症とアスペルガー症候群をわけて考えてきましたが、その本質は大きく変わらず、症状の強さや程度の違いと考えられています。

原因

発達障害の原因は、今のところ解明されていなく、遺伝や環境などの様々な要因が複雑に絡み合っていると考えられています。

しかしながら、「何らかの脳の機能的な異常がある」ということは考えられています。

その結果として、なんらかの特性が強まります。そういった特性は置かれている状況に適応することの困難さにつながり、生活上での支障や苦しみとなってしまいます。

ですから発達障害は、病気というわけではありません。

症状

広汎性発達障害(アスペルガー)、症状

ここでは広汎性発達障害(自閉症スペクトラム障害)を中心にご説明していきます。

その中心となる症状は大きく2つになります。

  • コミュニケーションの質的な障害とそれによる社会性低下
  • こだわりの強さからくる社会適応の困難さ

コミュニケーションの質的な障害

「空気を読む」「人の気持ちや感情を察する」など行間を読むことや、表情や声音、ボディランゲージなど、言葉に現れないコミュニケーションが苦手です。

私たちは他人の行動を見て、無意識に相手の状況を想像します。

そういった想像力が乏しいために、明確な言語以外のコミュニケーションしか伝わりません。

こうしたコミュニケーションのズレが、対人関係を中心に困難さにつながります。

そして本人は何がズレているのか理解することも苦手で、社会性が身につかず、常識的なふるまいができなくなりがちです。

こだわりの強さ

せまい範囲の物事に対し、強い興味を示す傾向があります。

興味があることやパターン化されたことには強いのですが、柔軟さや臨機応変さを求められると困難で、こだわりの強さが社会適応を難しくさせてしまいます。

その一方で、うまく適応できることであれば、周囲の人を驚かせるほどのパフォーマンスを発揮することもあります。

ですが社会生活では、バランスが求められることが多く、苦しまれている方が多いです。

その他

発達障害の方に特徴的な症状として、感覚に対する極端さがあげられます。

様々な感覚に対して極端に敏感なことが多く、ささいな物音が気になってしまったり、空調のちょっとした変化に気になったり、服の肌触りなどが気になったりと様々です。

その一方で、感覚の刺激に通常よりも鈍感な方もいます。

治療

広汎性発達障害(アスペルガー)、治療

発達障害は、病気というわけではありません。

生まれつきの特性ですので、その特性自体を治療することは困難です。

お薬は、うまく社会適応できないが故のストレスからくる二次的な障害に対して使われることが多いです。

ですから症状に合わせて、対症的にお薬を考えていくことが多いです。

合併症の治療と特性の理解が大切

しかしながら、うつや睡眠障害、強迫性障害などが合併してしまうこともありますので、こうした場合は状態を回復するために、それぞれの病気も踏まえてお薬の治療を行います。

とくに発達障害のお子さんをお持ちの親は、何とか発達特性を改善したいと思われている方が少なくありません。

薬物療法でも新しいrTMS療法でも、発達特性を改善することはできないと思っていただき、むしろその特性を理解して対処していくほうが良いと思います。

特性を個性に

大切なのは、特性を個性に変えること。

そのために、本人の中での自己肯定感を低くしないように環境を整えながら、すこしずつ自分自身の特性を理解していただくことが必要です。

とても個人差が大きいため、みなさんへの正解はありません。

一般的によくいわれているのは、

  • 視覚情報のほうが聴覚情報より得意
  • 主観と客観がずれやすい
  • 苦手を伸ばすより得意でカバーするほうがよい

といったことになります。

WAISやWISCといった知能検査(複雑心理検査)を行うことで、能力の特性を把握することができます。

周囲の理解が生きづらさを和らげる

周囲も本人の特性を理解して、

  • 具体的な指示を出す(言葉でキチンと伝える)
  • 言葉を省略しない(あれ、それ、はダメ)
  • 急な変更は避ける

といったことを意識するだけでも、落ち着きやすいです。

このようにして、周囲のサポートも含めて少しずつ理解を含めていくことで、生活を送る上での「生きづらさ」を和らげていくことができます。

発達障害でお困りの方へ

こちらの記事では、広汎性発達障害(アスペルガー症候群)について、その症状や原因、治療についてご紹介してきました。

発達障害の診断には、複雑心理検査が必要となることがあります。

当院では連携している精神科病院や心理オフィスに検査をお願いし、当院では発達障害の治療と適応のサポートを行っています。

発達障害で悩まれたら、武蔵小杉こころみクリニックにご相談ください。

さらに発達障害について詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。

発達障害のページ(元住吉HP)

執筆者紹介

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大澤 亮太

武蔵小杉こころみクリニック院長

精神保健指定医/日本医師会認定産業医/日本医師会認定健康スポーツ医/認知症サポート医/コンサータ登録医

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