強迫性障害

強迫性障害とは?

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強迫性障害とは、頭の中にうかぶ考えやイメージにとらわれてしまい、それを払しょくするための行為をとめられない病気になります。

自分でもバカバカしいことだと自覚していても、頭に浮かぶ考えやイメージをやめることができないため、周囲にいる人まで巻き込んでしまうこともあります。

このようにストレスが非常に大きく、うつ病を合併してしまう方も少なくありません。

そして確認行為に家族や友人などを巻き込んでしまって、関係性を損ねてしまうこともあります。

また強迫行為がひどくなってしまい、自宅から出られなくなってしまうこともあります。

強迫性障害は不安の病気とは異なる

強迫性障害はもともと、不安障害の一つと考えられてきました。

近年は不安とは質が異なると考えていて、とらわれと繰り返しの行動を特徴とする病気と考えられています。

男女差はほとんどないと考えられていますが、男性の方が女性よりも若くして発症することが多いといわれています。

お薬を十分に使うことで症状を和らげ、地道に強迫症状の我慢を重ねていき、少しずつ改善が期待できる病気となってきています。

原因

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強迫性障害の原因は、遺伝要因と環境要因の重なりと考えられています。

特に幼少期や思春期に発症した方やチック障害もあった方では、遺伝による影響は強いと考えられています。

しかしながら強迫性障害の両親を持ったお子さんは必ず発症するわけではなく、遺伝的な発症のしやすさがあり、そこに環境要因が重なって発症するのだと考えられます。

環境要因としては、

  • 性格傾向
  • ストレス

が関係していると考えられています。

なりやすい性格とストレス

性格傾向としては、几帳面で神経質で、こだわりが強い強迫的なパーソナリティがあげられています。

物事に対してネガティブな感情を持ちやすかったり、回避してしまう行動パターンをとってしまう場合も、強迫性障害と関係するといわれています。

また、虐待などのトラウマ(心的外傷)というべき過剰なストレスを受けた場合、強迫性障害を発症しやすいことがわかっています。

日々のストレスの蓄積も、強迫性障害がひどくなってしまうこともあります。

そして、発達障害やチック障害の患者さんには、強迫性障害が合併していることが多いです。

もともとのこだわりの強さと、うまく社会適応できないことでのストレスが、強迫症状を強めてしまうことがあります。

症状

強迫性障害の基本的な症状としては、

  • 強迫観念:ひとりでに考えやイメージが頭から離れない症状
  • 強迫行為:不安を打ち消すための繰り返し行為

になります。

強迫観念

よく認められる強迫観念には、大きく4つあります。

  • 汚染恐怖や不潔恐怖→汚染や洗浄へのとらわれ
  • 加害恐怖→禁断的思考へのとらわれ
  • 不完全恐怖→対称性へのとらわれ
  • ため込み障害→物をため込むことへのとらわれ

強迫行為

これらの強迫観念に対して、繰り返し不安を打ち消す強迫行為を行ってしまいます。

バカバカしいと思っていてもやめられない自我違和感の程度は人により異なりますが、強迫行為に時間がかかりやるべきことが行えず(強迫性緩慢)、生活への支障が大きいです。

このようなことが続くと、

  • 回避行動が強くなる
  • 確認に周囲を巻き込む

という傾向が強まります。

それによって我慢が聞かなくなってしまい、強迫症状が悪化してしまいます。

そのような中でうつ病など、他の心の病気を合併してしまうことが少なくありません。

強迫性障害と近いと考えられている病気

  • 抜毛症
  • 皮膚むしり症
  • 身体醜形障害
  • ため込み障害

は、従来は不安や衝動コントロールの問題と考えられてきました。

しかしながら本質は強迫性障害に近いことがわかってきて、現在は強迫性スペクトラム障害に分類されています。

治療

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強迫性障害は、1つずつ地道な対処の積み重ねが必要になる病気です。

お薬も十分量使わないと効果が期待しづらく、またスッキリと完治することは少ない病気です。

しかしながら治療を重ねていくことで少しずつ苦痛が薄れていき、生活が改善されていきます。

お薬による治療だけで良くなる病気ではありませんが、お薬がなければ治療が進まないことが多いです。

薬物療法でできるだけ症状の改善を目指し、そのうえでコツコツと精神療法の積み重ねが必要となる病気になります。

薬物療法

強迫性障害でのお薬の目的は、

  • 強迫観念によるとらわれを少しでも薄れさせる
  • 精神療法を進めるために気持ちを落ち着ける

この2つになります。

強迫観念を薄れさせるためには、セロトニンの働きを強める抗うつ剤(SSRI)が基本となります。

しかしながら強迫性障害では、うつ病などと比べると高用量が必要になることが多いです。

抗うつ剤をしっかり使っても効果が不十分な場合は、ドパミンの働きを抑える抗精神病薬が有効であることがあります。

強迫観念に対するバカバカしいという思いが薄く妄想的である場合や、発達障害やチックが関連している場合には、抗精神病薬が効果を発揮することがあります。

精神療法

強迫性障害の精神療法は、暴露反応妨害法(認知行動療法)を基本としていきます。

強迫性障害の場合は、認知面からのアプローチが困難です。

このためまずは、行動面からアプローチしていきます。

意識的に行動することで強迫観念を引き起こし、それを打ち消そうとする強迫行為を我慢し、「そのまま放置」する練習をしていきます。不安になれていくだけでなく、その中での認知の変化をみつめていきます。

このように精神療法は、エネルギーを必要とします。

うつ状態に陥ってしまっているときに行うべきではなく、精神的に落ち着いているときに行っていくべきです。

地道な積み重ねが必要にはなりますが、少しずつ改善していき行動範囲が広がっていきます。

TMS治療という新しい選択肢

強迫性障害は苦しみが深い病気で、お薬や心理治療だけでは改善が限定的となってしまうことも少なくありません。

新しい治療選択肢として、TMS治療(経頭蓋磁気刺激療法)がアメリカでは認可されています。

お薬とは異なるアプローチによる治療になりますので、従来の治療と併用することで、さらなる効果を期待していきます。

強迫性障害とTMS治療(外部HP)

強迫性障害でお困りの方へ

こちらの記事では、強迫性障害の症状や原因、治療についてご紹介してきました。

強迫性障害は本当に苦しみが深く、生活への支障も非常に大きな病気です。

当院では薬物療法や暴露反応妨害法だけでなく、磁気によるTMS治療

を行っています。

強迫性障害で悩まれたら、武蔵小杉こころみクリニックにご相談ください。

さらに強迫性障害について詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。

強迫性障害のページ(元住吉HP)

執筆者紹介

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大澤 亮太

武蔵小杉こころみクリニック院長

精神保健指定医/日本医師会認定産業医/日本医師会認定健康スポーツ医/認知症サポート医/コンサータ登録医

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